たたみについて

畳の構造


畳は土台となる床、表面を覆っている表、畳の両サイドについている縁の3種類の素材から構成されています。

畳替えの種類


新畳

現在使用中の畳を全て廃棄し、畳を丸ごと新しく作り替えることを「新畳」といいます。

床の質や使用状況によりますが30年近く経過したわらの畳床は、全体的に厚みが薄くなっていたり、表面に凹凸ができたり、弾力性がなくなり全体的に柔らかくなっています。 このような場合には、畳床を補修するよりも、新しい畳床に交換します。 


表替え

現在の使用中の畳床をそのまま利用し、表面の畳表と縁を新しい物に交換することを「表替え」といいます。

表替えをする際に、畳と畳の間の隙間や段差の修繕を行います。 畳替えの時期ですが、表面のいぐさが擦れてきたり、畳が変色してきたら表替えのサインです。お使いになられている状況にもよりますが、およそ5年~10年の間が最適かと思われます。 

 


裏返し

畳表を裏返にして綺麗な裏面を使い、縁を新しくすることを「裏返し」といいます。

使用してきた畳表の裏面は、新しい状態の表よりは色が退色しているものの、現状の表面よりは綺麗になります。 新しい「いぐさ」の香りはしませんが一枚の表で二度、綺麗な面が使用できるので経済的です。 

 

ある程度の良い表(いぐさの目が詰まった畳表)で表替えをし、3年~5年の比較的早い時期に「裏返し」を行った方が経済的で畳を長く綺麗に使用できます。また、大きな柱などの切り込みがある畳や、表が擦れて中の糸が見えてしまっている等の傷みの激しい畳は、裏返しができない場合があります。 

 


畳の材料について


畳床について

畳床は大きく分類すると3種類にわけられます。それぞれ特性が異なり、使用する部屋の環境に合わせて使い分けられます。

稲わら畳床

昔ながらの天然素材。わらを何層にも重ね合わせたもので、わらの質、配列・圧縮方法、縫い目の間隔などにより品質・グレードが決まります。 30kg以上の稲わらを平らに約40㎝まで積み重ね、5cm程の厚さまで圧縮して作る為、稲わら畳床ならではの耐久性、弾力性、吸放湿性、断熱・保温性、難燃性という点で一番すぐれています。 感触が良く、表替えを繰り返しても丈夫で、天然素材である為、室内の湿度を調節する機能は他の床材に比べ最も優れています。 

稲わらサンドイッチ畳床

稲わらの間にポリスチレンフォーム・インシュレーションボード等を挟み込んだもので、稲わら畳床と建材畳床の中間品。 稲わら畳床の特色を持ちながら軽量で、保温性に優れています。

 

建材畳床

稲わらを一切使用しないでポリスチレンフォームや細かいチップを圧縮したインシュレーションボード板を組み合わせて縫い込んだもので、 軽量で低コスト、断熱性に優れ水分を吸収せず、平らでダニが寄生しにくいのが特徴です。最近では、建材床が新畳の大半をしめています。



畳表について

天然イグサの畳表

和紙・樹脂の畳表

琉球畳表


通常1枚の畳表に約4,000~8,500本ものい草を使用し、い草の1本1本に経糸と呼ばれる綿糸や麻糸を絡ませ、表が均一になるよう丁寧に編み込み畳表は作られています。

 良いい草は、変色や傷がなく、根元から先端まで太さが均一で色がそろっています。このようない草の根元と先端を除いた真ん中の部分を多く使用した畳表は上質で、一般的に長いい草を使ったもののほうが美しい畳表といえます。天然の畳表は国産と中国産がありますが、中国産の畳表は、昔に比べ見た目は国内産の畳表と変わらないように見えるほど品質は向上しつつありますが、国産畳表と比べると耐久性、経過年数による色合いが劣ります。 悲しいことに中国から輸入されている畳表は国内生産量をかなり上回っているのが現状です。その他に、和紙や化学素材を使った畳表などもあります。同じグレード表記の畳表でも、畳店により質が異なりますので、サンプルを実際に見て、実際に触って確かめることをお勧めします。 

 


畳縁について

化繊縁

紋縁・繧繝縁

純綿縁


畳のフチの部分を彩る飾りで, もともとは、仏教の伝来とともに朝鮮から伝わってきたのが始まりといわれています。 昔は身分や地位により用い方が規定されていました。現在では、社寺仏閣などでこの名残を見ることができます。畳縁は絹、綿、麻、化学繊維などの素材でできていて、繧繝(ウンゲン)縁、紋縁、綿縁、麻縁、柄縁など、いろいろな種類があり現在、最も広く使用されているのが柄縁です。好みや用途によって選べます。

 

畳の大きさ


名称 サイズ(寸) サイズ(cm)
 京間(本間間、関西間) 六尺三寸×三尺一寸五分 191cm×95.5cm 
六一間 六尺一寸×三尺五分 185cm×92.5cm
三六間(中京間) 六尺×三尺 182cm×91cm
五八間(江戸間) 五尺八寸×二尺九寸 176cm×88cm
五六間(団地間) 五尺六寸×二尺八寸 170cm×85cm

※静岡県周辺は主には五八間が多く使用されています。

畳の機能と効能


稲わら畳床と天然畳表を使用して作られた畳の機能と効能を説明します。

 

空気清浄機能

い草のスポンジ構造により人の体に良くない二酸化窒素や、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの化学物質の吸着を吸収する作用があり、室内の空気をきれいにしてくれるのです。

 

湿度調整機能

畳1枚で約500㏄の自然吸放湿能力があり、梅雨時期などの湿気の多い時期は水分を吸収し、冬の乾燥した時期などは蓄えた適度な水分を放湿して、快適な環境を保ち続けます。 

 

鎮静効果・芳香性

い草のやさしい香りで、疲れた体を癒し、心を静めてくれる自然の鎮静効果(アロマテラピー効果)を与えてくれます。     

 

保温・断熱効果

畳床の稲わらの空洞、い草のスポンジ構造により内部にたくさんの空気が含まれます。空気は熱を伝えにくいという特徴があるため、高い断熱効果が得られます。 また、一度温かい状態になると熱を逃さない保温の役目もします。

 

吸音効果

畳床の稲わらの空洞、い草のスポンジ構造により内部にたくさんの空気が含まれます。畳に含まれるたくさんの空気が余計な音や振動を吸収して響きません。 

 

弾力性

畳の適度な弾力は転んだときにフローリングなどよりも衝撃は少なく、怪我をしにくいので安心・安全で子育てにおすすめです。     

 

い草の抗菌作用

最新の研究結果からはいぐさに水虫の原因となる白癬菌に対して予防効果があると発表されました。いぐさは平安時代から利尿薬や消炎剤などの  薬草として用いられてきた歴史もあり、最近では食品、石鹸、入浴剤などにも利用され始めています。

 

集中力持続効果

畳の教室と一般の教室で問題を解き比べたところ、畳の教室で回答する方が、回答数が約14.4%増加。  正解率も若干畳の教室の方が高いこがわかりました。